森村桂『それでも朝がくる』~新婚旅行に持って行った離婚の話。

森村桂『それでも朝がくる』~新婚旅行に持って行った離婚の話。

『天国にいちばん近い島』を読んで以降、森村さんの本を2,3冊買って手に入れましたが、
当時は今のようにネットで好きな本を買える時代ではなくて、そのせいで本屋で偶然見つけるしか方法が無いので
お目当ての作家の本でも数多く手に入れるのは難しかったです。

だから、皮肉なことに森村さんの本を数多く手に入れたのは森村さんの本が絶版になってネットが普及した後でした。

つまり中古本を手に入れたのです。

『それでも朝がくる』。
この本は偶然私が結婚式を控えた時期で、新婚旅行に旅立った先で退屈しのぎに読む本を探しに本屋さんに言ったとき、
見つけた本でした。

森村さんの本にしては『それでも朝がくる』とは暗めのタイトルだな、と少し中身を見てみました。

すると、なんと森村さんの離婚にいたるまでの話だったのです。

これを買うのは躊躇しました。

興味があるものの、これから結婚しようとしている女が離婚した話の本を買うか?と思いましたが好奇心には勝てず、
結局買ってしまいました。

それもあったのは下巻のみです。

その後、ネットの普及で上巻も手に入れましたが。

でも下巻だけでも困らない内容ではありました。

詳しいことはわかりませんが、思うところがあって、森村さんは暮らしの学校を作る決心をしたところから始まりました。

昔学びたくても貧しくて学べなかった、女性だから学問は無用とされていた人たち、
何かやり遂げたいと思う人たちのための生活に役立つ学校を作ろうと一大決心してしまったのです。

最初、夫の山下さんは暮らしの学校に大賛成でした。

それも生徒をできるだけ多く自宅に引き取って学ばせるべきだとまで豪語しました。

最初は若い女の子が家でただ一人の男性である山下さんに対してちやほやしてくれるのでご機嫌だったのですが、
難しい弓ちゃんという子が入ってから森村さんはその子につきっきりになり、嫉妬から雲行きが悪くなっていきます。

山下さんという人は自分がお山の大将でないと気がすまない駄々っ子のような性格の人でした。

それまで、森村さんは、山下さんのそんな性格を知って彼の思いどおりに暮らしてきました。
しかし、暮らしの学校で、人は思いどおりに生きるべき、と学び考えに変化が現れ、
いつしか山下さんに対しても以前と違う扱い方になっていったのです。

そこから物語は離婚へと発展していくのです。

そして話の後半に離婚してしまう森村さんは、死にたいと思うほど苦しみます。

離婚したくなかったのに離婚してしまった、離婚は罪だと信じていた森村さん自らが
離婚したことに耐えられない苦しみを味わいます。

しかし、彼女はいつも誰かが救いの手をさし伸ばしてくれる、そんな運を持った人でした。

そのときも、お見合い話が来て、森村さんと結婚してくれる男性が現れます。

まだ本当に好きではないけれど、きっといつか好きになれる、そんな終わり方でした。

これが作り話なら、次の人こそ本当に愛せる人になるんでしょうが、現実はそんなに甘くないのです。

私はこの話を新婚旅行のハワイで読んでみて、人生の教訓のひとつにしようと思いました。

新婚旅行に持って行った本

役立つかどうかは知りませんが、こういった離婚の形もあるのだ、こんな出会いの結婚もあるのだ、と思ったのです。